ルミエールワイナリーは、山梨県の豊かな自然の中でワインの製造販売を行っています。

ルミエール

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魅惑的な香りのミルズ

みなさん、ミルズというブドウを御存じですか?今ではあまり顧みられることがなくなってしまった、しかし、非常に大切なブドウの品種の名前です。
このミルズとは1870年頃、北米オンタリオ州でミルズ氏(William.H.Mills)がマスカットハンブルグとクレベリングというブドウを交配してつくられました。3/4がヨーロッパ系ブドウ(V,vinifera)の血統で残り1/4がアメリカ系ブドウ(V.Labrusca)ということになります。
かつては山梨県を中心に赤ワイン向けの醸造用ブドウとして広く栽培されていました。その品質の評価は高く、赤ワインの原料として、メルロと同等あるいはそれに次ぐ品種として扱われていました。しかし、栽培がやや難しいこと、色素がやや薄いことなどから次第に栽培面積は減ってしまったのです。
しかし、減少してしまった全体での栽培面積を尻目に、自園と契約栽培のブドウを用いて、ミルズの魅力をルミエールは追い続けて来たのです。ミルズの魅力とはいったい何なのでしょう?それは、ミルズ独特の、他のブドウではつくり出し得ない、魅惑的な香りにあると思います。バラの香り、熟成したブルゴーニュの香り、あるいはサツマイモの香りなどなど、いろいろな表現がありますが、それらが複合的に重なりあった個性がそこにあります。
ミルズの母親は前述のようにマスカットハンブルグというマスカット系のブドウです。このマスカットの血が赤ワインへと変貌する中で生まれるのがミルズ独特の香りなのです。
マスカット系のブドウ中にはモノテルペンアルコールという成分が多く含まれています。この香りはいわゆるマスカット香りと呼ばれるもの、また柑橘類など爽やかさを感じさせるフルーツの香りです。そして意外にも芋焼酎にも含まれており、なぜかミルズのワインがサツマイモを思わせる香りを持つのか理解出来ます。
1998年の雪害により、ルミエールの大棚でつくられていたミルズの樹は息絶えてしまいました。しかし、その樹の穂は現在の垣根に植え替えられ、生まれ変わったブドウから、再びミルズのワインが少しずつ増えつつあります。
現在、そのような状況から、ミルズの在庫は決して多くありませんが、着々と増産、そしてさらなる高品質のミルズへの訴求は続いています。ルミエール独自の個性を生み出すこのミルズをこれからも大切にしたいと思っています。

2003.07.05