ルミエールワイナリーは、山梨県の豊かな自然の中でワインの製造販売を行っています。

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今年の気候とブドウの生育

1993年以来の不順な天候・・・などと騒がれている今日この頃。もちろんお米の作柄も大事ですが、私たちにとっては何よりブドウの出来が心配です。この天候はさまざまな形で今年のブドウに影響を与えています。
その中でも今年、最も私たちを困らせているのは、カベルネソーヴィニヨンの「房枯れ症」と呼ばれる障害です。
あまり耳慣れない言葉なのでイメージしにくいかもしれませんが、8月に入り果実が色づき初めて少したった頃(糖度で10度前後)から発生が始まる、果梗が枯れ、果実の成熟が止まって萎んでしまうという生理障害です。文字通り房が枯れてしまうという、栽培者にとっては何ともやりきれない症状なのです。
この障害の発生は日本だけに限ったことではなく、カベルネソーヴィニヨンの故郷フランスを初めとして世界中で見られています。オーストラリアなどでも被害が大きいらしく、多数の研究論文が出されています。しかし原因はまだはっきりと分かっていないのです。もちろん有効な具体的対策も見いだされていません。
 ただ、少しだけ分かっていることがあります。それは先に書いたように生理障害だということです。つまり植物体が発信する危険信号なのです。人間のように言葉を持たない代わりに、植物は体で表現するのです。
今年のような天候:日照不足、成熟期に入ってからも相変わらず多雨、曇天が続いた後のいきなりの高温・・・は植物生理にとってかなりしんどい条件です。こんな年は房枯れ症が多く発生すると言われています。これだけ発生の条件が揃った年が珍しいと思うくらいです。
ブドウ栽培は天候に大きく支配されます。私たちはそれを無視しては何も行うことは出来ません。しかし「今年は房枯れ症が多いなあ〜」などと嘆くだけでは何も始まらないと思うのです。
世界中で研究され解明されてないことに今さら首を突っ込んでも仕方ない・・・のかも知れません。ただ、自分の畑で起こっている問題は自分で解決したい!なぜならブドウの樹の健康状態を一番良く知っているのは、その管理者だからです。家族の健康管理をするのと似たイメージでしょうか?

2003.08.31